ロブションの厨房と大掃除
店では夏休み前とお正月休み前に大掃除をしている。
通常の仕事に加えてそうじが入るので、何日もに分けてやっている。
床やオーブンをみがく時に決まって思うことがある。
“フレンチの神様”・“世紀最高の料理人”と称されるジョエル・ロブションの言葉。
「綺麗なところでしか美味しい料理は生まれない」
仕事が終わった後のロブションの厨房はいつでも「明日、開店か?」と思わされるような綺麗さだったという。
ここで挙げて比べること自体がおこがましいけれど、彼の仕事に対する姿勢と職人としての気持ちを知るほど自分の甘さが思い知らされる。
自分も常に道具を大切にする気持ちや行き届いたそうじを心がけてはいるけれど・・・・・。
でもこういうのは心がけではなく、料理人としての姿勢であり料理に対する誠実さだと思う。
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そしてもう一つ心に残るロブションの言葉。
「料理人になって以来、つねに目指してきたのは、完璧な料理を作るということだった。二十代で身体が思うように動くようになり、三十代で頭で考えたことが手で精密に表現できるようになり、四十代でいよいよ完璧な料理を作ることが可能かなと思えるようになった途端、完璧がどんどん遠のいてゆくのを実感した」
もちろん、この言葉は活字で読んだことばだけれど——。
心にズシッときたのを覚えている。
あっ、ちなみにこのロブションの言葉で言うなら、わたしはまだ二十代です!!
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今年の大掃除、そんなことを考えながらやっていました。
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